来年の成人式/卒業式に向けて《予約開始します》

前回のブログで、着付けの楽しさと共に、大変さも書きました。

何より、着付け依頼の方をお断りしなければならないのが心苦しいというところです。

そこで、来年は、成人式と横浜市立小学校の卒業式につきましては、あざみ野の教室にて着付けを行います。

☆早めの予約には特典も用意してお待ちしています。

☆お問い合わせ・ご相談もお気軽にご連絡ください。

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社会的な現状は!?

確に<出張着付け>の場合、ご自宅で待っていただければいいので、お客様としてのメリットは大きいと思います。

ただ、そんな中にあっても、時間の相談もさせていただく場合もあります。例えば、7時半からというご希望で前後の方の移動時間で時間の変更をお願いせざるを得ない場合も出てくるのが現状です。細心の注意を払って、時間決めをして、そこでお客様に納得していただく必要が出てきます。

当日までの交通状況の確認やお客様とのやりとりで、かなりの労働時間となってしまいます。

もちろんお着物についての確認などは当然のことで、そちらは着付けの仕事の一つとして考えられるので、苦になりません。

そんな理由の他に、社会的な現状についてもお話しいたします。

着物を着たい方、特に人生の節目となる時、これを通過儀礼と言いますけれど、着物を着たいという方は増えつつあるような気がします。お子様の晴れの日として、生まれてからのお宮参り/七五三/入園/卒園//入学/卒業/といった時のご依頼は多くなってきているように感じます。

そして嬉しいことに、成人式ではお母様の振袖を娘さんが着る(ママ振りと呼ばれていますね)ということでの個別のご依頼も増えてきています。

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そういう状況がありながらも、逆に、着付けをする着付け師さんの減少が考えられます。

その原因としては、着物に関心を持ち、着物を愛してきた世代、多分70歳代以上の方の高齢化とそれに伴い亡くなる方も当然いらっしゃいます。そんな方々に支えられてきていたのが、このところのレンタル業界の一斉着付けです。

1ヶ所の大きな会場で、大勢の人の着付けを、一定の時間まで仕上げて送り出す。

そのために活躍してきた方々が、上記に記したような状況だと思われます。

今年、そういう会場のお手伝いに行った友人曰く「今年の着付けは、見ていられないくらい酷かった!」「直してあげたいほどだったけれど、役割分担もあり、手出しはできず、ただただ、驚いた。」このような感想は他でも聞かれたという。

私自身その場に居合わせたわけではないので、これを鵜呑みにするわけにはいきませんけれど、以前同じような仕事を一緒にやった友人の言葉として、非常に重く受け止めました。

この原因は、次のようなことが考えられると思います。

まずは最初にあげた着付師の高齢化の問題です。

でも、それなら若い人が入っていけばいいのに、というのが当然ですけれど、これがその通りにならないのです。

「着付けをして差し上げる仕事」は一朝一夕にはできません。

まず自分で着物が着れるようになるための着付けのお稽古からやらなくてはなりません。

 自分が着れなくても、着せてあげる練習だけやればいいのでは?

いえいえ、やはり自分で着ることで、紐の締め具合、襟合わせの微妙な加減、帯の位置等全てにおいて、自分の体での感覚を知ることで、お客様の体に合わせた着付けができるのです。

自分で着物を着ない人にはわからない感覚を必要とするのです。

それには、時間をかけて、自分で着ることができるようになり、着物を着てのお出かけもできるというのが最低条件だと思います。

 ただ、最近は昔は着付けを習って自分で着ていた時期もあったけれど、着なくなって数十年という方まで着付けの現場に引っ張り出されています。もちろんそんな方は、人への着付けの練習、振袖や袴それぞれに合わせて講習を受けてその場に臨んでいる方々もいます。全くの素人ではないというところは、やはりその場での力をそれなりに出されています。が、やはり現役の方などと比べて、自信のなさも垣間見えるところです。

 ではなぜ、若い方が着付けの練習をしてまで、着付師になる人がいないのか?

これは、着付けで生活の糧を稼ぐのは、現状ほぼ無理だからです。

まず、着付けを習得するために費やす時間はと、そのための費用がかかります。

そして生活の糧を稼ぐというところでは、着付けをした対価としての収入が他の業種との差がありすぎるということが考えられます。

さらに、着付師の出番としては、一部の方を除いては、季節労働者となってしまいます。

今回の卒業式シーズンと成人式です。それも月のうちの1日、もしくは数日の限定です。

そのほか、七五三のシーズンなどが挙げられるのですが、趣味でやるには専門性が問われることになり、半端なところではできません。

教室運営で自立していらっしゃる先生は、ともかくとして、今までの着付けのお手伝いをする時は、その先生の元で、月謝を払い、技術の水準を保ち、研鑽していくということが求められます。

そういう努力ができていたのが、高齢者の方だったのです。

昔着付けを習っていた方、高齢者という方達の時代は、女性が外で働く環境がほぼなかった時代です。

そんな時、いろいろな習い事をやれる環境もあったということだと思います。

働いていた方も定年退職後の楽しみとして、お稽古事をされる、その一つに”着物を着る”という選択もあったと思われます。

それも最近は少なくなってきたような気がします。このことは、『着物整理帖』考案理由に挙げていますけれど、着物の知識がなくなって、その価値がわからなくなってきていることも大きな要因の一つだと考えます。

行事ごとの着付け依頼は増えてきている一方で、着付けができる人が少なくなってきている

そんな中、一人でも多くの方のお手伝いをしたいと、早期予約受付を開始しました。

ただ、1年前からの予約は普通で、2年前からの予約受け付けているところもあるそうです。

「え、もう!?」「まだ考えられない!」という気持ちも当然だと思います。

でも、ここで、考えることを始めてみてください。そこで見えてくること、わかることがあると思います。

そこで結論を出されても遅くありません。いえ、早いからこそ、わかること、見えることがあります。