着物のお手入れ 耳寄り情報 その1
先日、着た後の着物を持って呉服屋さんに行きました。そこで洗いを頼む悉皆屋(しっかいや)さんとの会話で ”なるほど!!””そうなんだ”という新しい発見がありましたので、みなさんにお伝えしたいと思います。*悉皆屋とは洗いや染め直し、染み抜きなどの着物のお手入れをしてくれるお店です。
<まず着物を汚してしまった時>:
例えば、水溶性のもの お茶・コーヒーといったものも、乾いた布やティッシュで水分だけを吸い取ること。→水に濡らして拭き取ろうとすると汚れが広がってしまう。
また油分についても同じで液体を吸い取らせておくこと。
いずれもその後早めに洗い(染み抜き)に出す。
当たり前のことのようですが、意外と水に濡らして拭いてしまうというのはよくやりがちです。
着物の色や模様によっては、一度色抜きして、改めて色を差し直すという必要も出てきて大変になることもある、とのことです。
<洗いを頼みに持ってきた時の着物の状況>
ある時、これ洗ってもらえますか!?と出されたのが、くちゃくちゃに丸まった着物だったそうです。
よくよく見ると白大島の高級な着物だったとのこと。
聞けば着ていて雨に降られ、脱いだのをそのまま丸めて放置していたということ。
着物を知っているものとしてはあり得ないことですが、、、
でも仕上がりは、綺麗になって戻っていったということです。
めでたしめでたし!!
ただここで注意しておきたいこと!
「雨に濡れたのを丸めて放置していた」着物が綺麗に蘇った、というのは大島だったから!!
これが他の着物、例えば縮緬地(ちりめんじ)などだと縮んでしまってどうにも元には戻らなくなるということもあり得ます。
これは織られている糸が強力に捩ってあって、水を含むと、それがより縮んでしまうからです。
その点大島紬は水には強い生地となっています。
とはいえ、やはり繊細な絹糸は、水分、雨などには濡れないように、濡らさないように気をつけたいですね。
もう一つ気になるのが襟汚れですね。
長襦袢の襟は半襟をつけています。それは汚れるからこそ付け替えて使えるようになっています。
外して洗ってそして付け直す。
大変ですけれど、洗いに出さなくても自分でできます。
一方で着物の汚れはどうでしょう。何回か着ていると、気がつかないうちに白地の着物は黄色く、濃い色のは白く襟の折れ線についてきます。これは汗と皮脂、さらにファンデーション等の脂分です。
これはやはり専門家(悉皆屋)にお願いしましょう。
この汚れをなるべく付かないようにする方法をちょっとお教えします。
着物を着る時に意外と付きやすいです。しかも着るのに慣れてなくて、時間をかけて着る方などはかなり汚れがついてしまいます。
特に帯結びをしようとする時、鏡を見たり、その時は少し首を後ろ向きにしてみることで、顎が襟に当たっています。
その時に汚れがつきにくくするのに、まず化粧を済ませた後、顎の下をティッシュなどで拭いておくとかなり違います。
そしてもう一つ、帯結びに入っていくときに着物の襟を覆うように、タオル、できれば手拭いの方が薄いので使いやすいのですが、それを首にかけてやる。
以上の点に気をつけて、着付けてくだされば、襟汚れは少ないでしょう。
でもあまり汚れる前に洗いに出した方が、やはり気持ちよく長く着物を着ることができますよ。