『袴を自分で着付ける着せ方のポイントは!?』   来年の卒業式のために、レクチャーを計画します。

その理由は!!

今年の経験から、あら大変!と思った出来事2つ!!

近くの小学校へ 卒業式の袴 のお直しで伺いました。

公立小学校(横浜市)の卒業式は、大半が同じ3月19日という日取りのため、出張での着付けは移動の時間が多くなって、着付けをお受けできる人数が限られてきます。昨年までは、依頼があってもお断りする人が多く、申し訳ないという感じでした。
そこで今年は1人でも多くの方のお着付けをして差し上げたいと、いらしていただいて、我が家で着付けをして差し上げるということにしました。5時半からでも、というお子様もお受けして、8時前まで2時間ちょっとで7人の方にお着付けして差し上げました。もちろんお手伝いの方もお願いしてのことですけれど。お子様の後お母様のお着物をお着付けして全て終了したのが8時半すぎです。

それから大急ぎで前に約束していた、近くの小学校へ袴のお直しに伺いました。
式場入場まで20分はあったでしょうか?
学校では、私たちの到着を今か今かと待ち構えていらして、到着するや否や、特に着崩れがひどいと思われるお子さん、10人以上の方を集めていらっしゃいました。
目を疑うほどにひどいお子さんたち、なんとか1人でも多く手直ししてあげたい!と脇目も振らず手直しです。普通の袴であれば、紐を締めなおせばとりあえずは大丈夫です。
ただ、初めて見るような袴があって、「これどうなってるの?」という摩訶不思議な袴に出会ったのです。それも1人ではなく何人ものお子様です。
聞けば、中学の制服を頼めば、袴が無料(?)で貸してくれるということだったようです。
それは、簡単に着れるように!との配慮のもとで考案されていたのでしょう。紐の代わりにゴム紐状でリボンふうの輪っかになって、作り付けの帯に引っ掛けられるようになっているものでした。それでありながらも、まともに着れていない状況です。
それにつている着物も不思議な形で、人によっては下前の襟も隠れてしまって、これ、着物?という着方になっていたりと、もう着物の世界と違った次元という感じでした。

もう一つの出来事は<YouTube に頼る怖さ>です

卒業式の前々日に着付けの依頼が来ました。それは先の19日とは違う日でしたが、それでもすでに出張での着付けが2件入っていて、当日に着付けして差し上げられる状態ではありません。
通常、そういった時のご依頼は、「着付けをお願いしたい」もしくは「卒業式の娘の袴の着付けをお願いします」程度の連絡が普通なのです。そういった内容へのお返事は、”すでにご予約で埋まっていますので、申し訳ございませんけれど、お受けできません。” とお返事するのですが、その方は、最初のご依頼内容に、詳細な現実を書いていらしたのです。

それは、着物、袴のレンタルは依頼して、ユーチューブもいっぱい見て、自分で着せられると思っていた。いざ着物が届いて、着せてみようとしたけれど、どうにもならない。ユーチューブを見てもわからない。なんとか着付けをお願いできないか?との内容でした。それに加えて、お住まいも書いてあり、比較的我が家とは近い方だということもわかりました。

そこで、私から提案したのは、当日は無理です。でも明日(当日の前日)の午後4時頃からだと空いています。簡単にコツをお伝えすることはできますよ。とお話ししました。
お子様が袴を着たい、親としてもなんとか娘の希望を叶えてやりたいとの必死さが伝わってきました。
今から、新しく着付師を探してもまず無理だと私もわかっていましたし、この母娘のお役に立てたらとの思いからでした。


そこで、前日に一通りの着物と袴の着付けをやって見せて、絶対外してはいけないポイントもお伝えして差し上げました。
卒業式当日が終わってから、写真と感想をいただきました。
「なんとか無事に着せることができました。そして卒業式終わっても着崩れもしませんでした』とのことでした。

このことは、素晴らしい快挙だとお客様を褒めて差し上げました。
多分本人(お母様)の必死な努力の賜物だと思いますけれど、その中でも、ユーチューブを何度も何度も見て勉強されていたのが、役に立った部分もあると思います。

ユーチューブがあるからと皆さん自分で着せられると思われて、レンタルの着物が来て、多分前日、早くて前々日ですけれど、そこで着せてみて、初めて着せられない、ユーチューブは当てにできない、ということに気づかれるのです。
以前にも、こんな急なご依頼になったのはなぜですか?と聞いた方がいらして、全く同じような経験でした(その時は予定が組めたのでお伺いできたのですけれど)


私なども見ながら、この方は上手で、参考になる部分もあるな、という方と、アップしていても変なやり方で、困ったものね、という方がいらっしゃいます。
着付けがわかっている人ならこのような受け止めができるのですけれど、わからない方にとってはYouTubeを参考にという考えは無理だと思っていただければと思うばかりです。

この二つの体験から、来年は『袴を自分で着付ける着せ方のポイントは!?』(仮題)と題して、レクチャーの機会を作りたいと考えています。


それにこうするさらなる理由が、卒業式は特に小学校の卒業式は、大多数の学校が同じ日という横並びですし、登校時間が8時前までとなっていて、早朝からお受けしても、お手伝いできる方の人数は限られてしまいます。

さらには、着付師の数が少ないということです。全体的に言えば、以前よりどんどん少なくなってきていますので、頼める人がいない状況でもあるのです。

気がつくのが遅くなって、着付けを依頼しようとしても、やってもらえる方がいない、という状況になってくるのです。

そういった事情を考えて、1月の成人式後〜2月末までの間に着付けのレクチャーの機会を設けて、少しでもお母様のお役に立てればと考えています。
また近くなったら、ご案内をしたいと思います。

成人式や袴の着付け等でのご質問等ございましたら、ご遠慮なく、いつでも結構です。
ご連絡お待ちしています。