卒業式 / 袴 訪問着 / レンタルの着物

今年の卒業式シーズンは終了しました。

小学校卒業式では、女の子のほか男の子も三人に袴の着付けを致しました。

そして、大学卒業のお嬢様の袴の着付けもお手伝いさせていただきました。

お母様の訪問着や色無地など、のお着付けもお手伝いしました。

レンタルの着物

今までは、レンタルの着物に関しては、必要な物は全て揃っているという感じでした。

ところが今年は、レンタルの着物の揃え方があまりにひどいのに驚きました。

A:長襦袢の半襟の付け方があまりに酷い。しかも化繊の薄いもので、黄色いシミが襟山にそってずっとある。 襟芯を入れる場所すら変になっている。

着付るのにどうにか、黄色いシミも目立たなくして、出来上がりはそんなに大変だったとは思えないようにお着付けして差し上げることはできましたが・・・・・

B:男児小学校卒業式袴。長襦袢と着物の長さが長すぎる。

袴に合わせる着物はレンタルの場合、ほとんど短くなっているにもかかわらず、長すぎておはしょりをつくらなければならなくなったこと。そのためには余分なヒモが欲しいと思ってもギリギリの2本のみ。手持ちの紐でやって差し上げました。

そして、襟肩開きが女性の大人用仕立てで、襟を抜かない着付に、長襦袢に着物の襟が添わない状況でした。

C:小学校卒業式女児袴。そして男児の袴も、着物の丈は今様の袴の丈で良かったのですが、長襦袢が着物より20cmくらいも長かったり。

D:お母様の色無地、長襦袢が長すぎて、、、

などなど、ともかく、レンタル専門のお店が貸し出したのか?と疑うほどのひどさでした。

個別の出張着付けにお伺いする時の注意事項

個別に出張着付けの依頼に伺うとき、注意したいこととして

ご自分のお手持ちの着物をご使用の方には、小物等も含めてチェックのための写真付き一覧表をお送りしています。

しかし、レンタルされるという方には、レンタル会社がきちんと必要なものを揃えて送ってくるという、確信みたいな物を持っていました。

それは、昨年まではレンタルのお着物の場合、ほぼ全て問題なくスムーズにお着付け出来る状態だったからです。

以前成人式や大学卒業式などのホテル等での一斉着付けなどは、ご自分の体に合わせたもので決められているので、そんなに大変なものはありませんでした。

それが今年は、あまりの酷さにビックリしてしまいました。

個人でレンタルご希望されて、注文される方は、着物に関してはほとんど知識がない方たちです。

そんな方に、借りたお着物をチェックしてみてください、とは言えません。言ったとしてもチェックするところがわからないというのが正直なところでしょう。

ある意味、相手が何もわからないことをいいことにして、ひどいものを送ってくる、とは思いませんが、

レンタル業者自体が着物のことをよくわかっていないとしか思えないのです。

そこはプロの着付士、お客様に恥ずかしい思いはさせられません。

着付の仕上がりは格好良く、気崩れしない着付で仕上げていきます。

しかし、時間とのせめぎ合いの中で、このようなイレギュラーがあまりにたくさん出てくるのには、少々参りました。

20分で済むところが、30分に。30分もあれば十分大丈夫なところが40分にと、時計と睨めっことなっていきます。

お客様には何も責任はありません。

単にレンタル業者の杜撰な仕事ゆえのこと。

これからの対応に思案中です。

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