「空き家対策」と「着物の整理」の関係は?

昨日何気なく見ていたテレビで、「空き家が多くなっている」現状と それを有効に活かし活用する方法が報じられていました。

この一件なんの関係もない「空き家」と「着物」なのですが、その対策、活用の考え方は、根本的に同じことに一瞬驚きましたが、その後当然のことと気がついたのです。

「活かすための秘策!!」SDGsの考え方

「空き家対策」でどんなことをしているかというお話です。

専門家に、空き家を見てもらって、鑑定してもらう。

空き家の状態を強度なども含めて鑑定してもらった上で、

⑴更地にして土地を売却する

⑵リフォームして借主を探す

⑶リフォームしないでそのまま貸す

といった選択が可能になり、それぞれのおおよその金額も提示してくれるというもの。

その時の空き家の持ち主の感想は

「親からの相続で引き継いだのだけれど、負の遺産と思って困っていたのが、プラスになることがわかりホッとした」という言葉でした。

上記 ⑴⑵⑶のうち、一番の人気は ⑶のそのまま貸す、ということだそうです。

安く借りれて、自分流にアレンジしながらリフォームできるというのがその魅力だとか!

※「空き家」とは持ち主がいて、住まなくなってから3ヶ月以上経っている家のこと。『廃屋」とは違う。

「着物の整理」もおんなじ考え

母が残した着物をどうしようか!?と悩んでいる方。

その悩みの原因は、着物は安いものではない。1枚数十万円の着物が何十枚もあるとしたら・・百万円?と考えると、ありがたいようだけれども、部屋を占領する大きさは半端でなく、邪魔というのもまた事実。必要と感じない人にとっては、ある意味こちらも負の遺産と呼べる。

「着物の価値を見つけるには?」

空き家もその価値を鑑定士に見てもらったことで、負の遺産が転じてプラスの遺産になっていますよね。

着物も同じです。

残された着物を前に悩んでいる方は、着物の本当の価値がわからないからなのです。

買取業者に頼もうかしら!?

着物の場合は、現在買取業者がたくさんいて、買ってあげますよ!のコマーシャルに溢れています。

高額買取を謳いながらも、実際の高額買取品は、着物でなくて超一流のブランド品のみなのです。

ブランド品も二流、三流だと期待はずれの結果が待っています。

以前テレビで見た、実際に売る人と買取業者のやり取りで、2〜3百万円で購入し、1、2度着ただけのものでも2〜3万円での買取金額の提示でした。誰でもが知る有名な絞り染の着物でしたが、驚きと共になるほどこれが買取の実態なのだと承知したことを覚えています。昔の着物ではないのでサイズ的にもあまり問題はないように思われたのですけれど。

一般的には、買い取った後の販売でも買う人が限定されるということも大きいかもしれません。

まずはサイズです。昔のものはどんなに品物が良くても、現代の女性用には小さすぎることが多くて、高値での販売はまず見込めません。

汚れやシミなどがあったらまず買取はしてもらえませんし・・・

どうせお金にならないのなら、着物好きな友達に全てあげてしまおうかしら?

それも一つの方法かもしれませんね。

「母の思い出の着物も、彼女だったら大切に着てくれるかもしれないし」

「もらってくれた友達は、素敵な着物を前に喜んでくれていた。これで良かったわ」

という結果は悪くはないと思います。

ただここでも一つ問題が出てきているのです。

それは、いただいた着物も、利用したいものはその中の数枚であって、大多数はまたその方のところでお荷物になっていくのです。

差し上げたのでそのくらいはそちらで考えて!と思われても当然かもしれません。

本当に活用できないものは、どこまで行っても出てくることは当然かもしれません。

着物の価値を見出すことで、残し方、手放し方がわかります

空き家と同じで、価値を知ることで残し方、手放し方がわかります。

⒈ 自分の元に残すものを選びます。

残す価値があるもの・・この先の人生で着る機会がある着物。自分で着なくても子供たちのために残しておくと役に立つもの。思い出のある着物。

どの着物を残したらいいか?その方の生き方、過ごし方などをお聞きします。その中で活用していけそうなものから選んでいきます。

残す着物は一枚一枚、その着物の価値をプロフィールとして落とし込んでいきます。

種類・用途・思い出・サイズを測ります・帯、小物類のコーディネートも入れていきます。

着物のサイズを測ることで、母と自分の身長差など、お直しして利用できるかどうかも見極めます。

ご希望の方は【着物整理帖】を活用することでより着物についての詳しい知識が得られます。

⒉リメイクや小物作成への作り手の紹介やアドバイスを行います

着るために残す必要はないけれど、お気に入りの柄や生地でリメイクや小物が作れたらいいな。思い出としても大事に使えるし。

趣味や感覚に合った人を紹介します。

⒊残せない着物を、欲しい方に譲るマッチングの機会を提供します

「他にも状態の良い着物がたくさんあるのに、捨ててしまうのは勿体無いなー」

リサイクルショップやインターネットで着物を購入される方はたくさんいます。

そういう媒体をなくして、譲りたい人と求めたい人が出会える場を作ります。

譲りたい人のメリット

① お金にならなかったものでもお金になるものが出てくる。

②自分の着物の行き先、買ってもらう人のお顔が見える。(着物への思いの引き継ぎができる)

求める人のメリット

①提供者の顔が見えることで、着物に隠されたエピソードまで伺うことができる場合もある。 (着物への思いの引き継ぎができる)

②譲る人、求める人との信頼関係ができる。絆が生まれる。

着物は、処分を考えたときに価値がなくなります。

価値を知って残す。残せるものなのです。SDGsの最たるものと考えていただくことが、着物へ ひいてはお着物をお作りになって、お召しになられていたかた、お母様への一番の親孝行です。